共感を妨げるもの

アニカは、人の潜在意識に潜んでいるネガティブな感情に共感することによって、その感情をクリーニングしていきます。

他人の痛みや苦しみを感じて思いやる能力は、人間のもつ素晴らしい力のひとつだと思います。


しかし、人間にとって大切な共感する能力を妨げるものがあります。

前回ご紹介した「あなたの脳のはなし 神経科学者が解き明かす意識の謎」デイヴィッド・イーグルマン(著)には、共感に関する以下のような実験の話が載っています。


著者は、人間が戦争のような特殊な状況で、どうして普段はできないような残酷なことが行えるのか、脳神経学の立場から研究してきました。


人間は他人の痛みに共感することができます。たとえば、脳には、痛みを感じたときに活性化する領域があるのですが、自分のものではない、他人の手に注射をする動画を見せられても、同じように痛みを感じる領域が活性化するのだそうです。

しかし、その痛みを感じる領域が、ある条件のもとでは活性化しにくいことがわかりました。


画面には6本の手が映っていて、その手には「キリスト教徒」「ユダヤ教徒」「ヒンズー教徒」「イスラム教徒」「無神論者」「サイエントロジスト(新興宗教)」などのラベルが貼られています。その中から1本の手が選ばれ、画面中央で拡大して注射される、という動画が続きます。

この動画を見た人は、自分と同じ宗教を信じている人たちの手については、痛みを感じる領域が強く活性化したのに対し、自分とは違う宗教を信じている人たちの手については、あまり反応がなかったのだそうです。


つまり、人間の脳は、自分の属する集団の人の痛みにはよく共感するけれども、自分が属さない集団の人の痛みは感じにくい、ということなのです。

このことは、私たちが普段から経験していることですが、実際に科学的な実験でここまではっきりした結果が出てしまうと、何とかできないものかと思わざるをえません。


人種や国籍が違っても、人類として同じ集団に属している、という意識になるには、よく映画にあるように、宇宙人が攻めてくる、というような状況にならない限り無理なのでしょうか。