アニカは何でもかんでも自分のせいにします(笑)。
アニカで常々言っているのは、「自分が経験する現実は、自分の心(潜在意識)の反映である」ということです。たとえて言うならば、心を映写機として、現実に自分の心の中身を映し出しているようなものだ、ということです。
これまで自己啓発などでさんざん言われてきたことが、最近、脳科学の進歩によって科学的に実証されるようになりました。たとえば、私たちが「現実」と思って体験しているものがどのように作られているかというと、五感から取り入れたデータの使用はごく一部であり、ほとんどは脳内の記憶で作られた「内部モデル」でできていることがわかってきました。
要するに、私たちが脳内で「世界はこのようなもの」と信じ込んでいる記憶の総体が、現実で実際に何を経験するかを決めている、というのです。
もしこの内部モデルにネガティブな感情の記憶があったら、当然、その感情を味わうような体験を現実世界に引き起こすでしょう。
そうしたネガティブ感情を潜在意識から消去していくと、当然、経験する現実が都合よく変化します。
たとえばアニカにおける最近の事例では、上の階の住人の騒音が小さくなった、まだ何年も居座るだろうと思っていた嫌な同僚が会社を突然辞めた、同じマンションの子どもを怒りまくっていたお母さん一家が引っ越した、などがあります。
偶然ではないか、と思われるかもしれませんが、このような事例は少なくないので、アニカでの処理と何らかの因果関係があるとしか思えません。
騒音がなくなるのはまだわかります。おそらく現実に騒音がなくなったわけではなく、アニカを受けることで何らかのネガティブがなくなり、内部モデルが変化し、大きく聞こえていた階上の音が小さく聞こえるようになったのでしょう。
「カクテルパーティー効果」という話をご存知ですか? 立食パーティで自分の目の前にいる相手と会話している時、自分の背中にいる人たちから聞こえてくる声の方が距離が近いので大きく聞こえてくるはずなのに、それよりも自分が注意を向けている前の人の声の方がよく聞こえる、という現象です。つまり人間には、無意識のうちに、注意を向けている音のボリュームを上げ、注意を向けていない音のボリュームを下げ、自分にとって重要な音声をはっきり聞く能力が備わっているのです。
これは無意識で行っている調整機能なので、潜在意識レベルで注意を向ける対象が変わったら、経験する現実も変わることになるでしょう。つまり、これまで気になっていたことが気にならなくなり、うるさかった音が気にならなくなって小さく聞こえる、ということだと思うのです。
しかし、周囲から嫌な人がいなくなるのはどういうわけでしょう?
このクライアントさんは、自分が子どものころに同じようにお母さんから怒られていたため、子どもを怒りまくっていたお母さんの声が気になっていたのです。だから、子どものときに怒られていた苦しい経験に伴う感情の記憶がアニカで処理されて心から消えてしまったら、怒っていたお母さんが家族ごと引っ越して、お母さんの怒る声が聞こえなくなってしまったのです。
常識ではちょっと考えられないことかもしれませんが、アニカをやっている人たちには、こうした現実の変化は比較的よく起きます。
科学的な証明はできませんが、人間の心は本当に、自分の心の中身にあった現実世界を創り出す能力をもっているのかもしれませんね。
逆に考えてみると、私たちの目の前にあるものは、私たちが意識するしないに関わらず、絶えず「気になっているもの」で埋め尽くされているのかもしれません。トラウマのような経験があったら、同じような状況が起きることに対する怖れは常にもっているでしょう。つまり、そのようなことが起こらないか、気になってしょうがないのです。すると、そのような状況が再び目の前に現れる、という仕組みです。
二度と好ましくないことを経験したくないならば、過去に起こったその状況で感じたネガティブな感情をアニカで感じきって、「気にならないように」しなければなりません。
都合の悪いことをなくすのに、外の世界に変わってもらう必要はなく、ただ自分の心のなかにある原因をなくせばいいだけ、というのは何とも素晴らしいことですね。
マスターコースの感想でAさんも言ってましたが、「自分に影響を与えているネガティブと向き合う事はつらいけれど、向き合ったら必ず良い変化が大きく起こるので、一種の楽しみのような気もする」というのは、何とも実感のこもった言葉です。一度この変化を体験してしまうと、心の大掃除がやめられなくなるのです。
だから、アニカでは何でもかんでも自分のせい、と考えるのです。