フィンランド症候群

これからの世界は二極化するとバシャールなどがよく言っていますが、私は、現象の原因を物質に求める者と心の在り方に求める者の2つの世界に分かれていくのではないかと考えます。

この世界の現象の原因をすべて物質に求めることを還元主義といいますが、わかりやすくいえば、「これを食べれば健康になる」「これを食べると病気になる」と信じている人たちのことです。「一日一食が健康にいい」とこだわったり「コンビニ弁当は身体に悪い」と信じて絶対に食べようとしない人たちは還元主義者といえるでしょう。

しかし、むしろそうした過度のこだわりこそが病気を生む、何を食べるかよりも何を考えるかが重要である、と信じている人たちがいます。

光があるから闇が生じる、善を求めるから悪が生まれる、それと同様に、健康を意識するからこそ病気が生まれる、そんな実例があります。
 
 
健康に対する強い「こだわり」が、病気を改善しない、あるいは病気の予防には役に立たない例として、「フィンランド症候群」という話があります。

出典は「病気になる人、ならない人」土橋重隆(著)
 
 
かつてフィンランド保険局が40~45歳の男女を対象に15年間にわたって健康に関する調査をしました。1200人の被験者を2つのグループに分け、一方のグループには定期健診、栄養学的チェック、運動、タバコ、アルコール、砂糖、塩分の摂取抑制など健康管理を実行してもらい、もう一方のグループには健康管理を指示しないで好きにしてもらう、という方法で調査を開始しました。

15年後に2つのグループを比べてみると、何と健康管理を指示されていなかったグループの方が、がん、心臓血管系の病気、高血圧、各種の死亡、自殺の割合が低いという結果になりました。

フィンランド保険局は予想外の結果にとまどい、調査内容を報告しませんでしたが、後にフランスの雑誌が「フィンランド症候群」と名づけて暴露したため、世界の知るところとなりました。
 
 
この調査結果の解釈にはさまざまな考え方がありますが、著者は以下のように述べています。

「いい加減な人ほど病気にならない

常識に、社会の通念にしばられていれば、正しいことしか選択しません。そして正しいことをしなければならないと思い込むと、行為そのものが義務となります。

自分のことよりもまず他人のことを考えてしまう、自分がどう思うかよりも相手がどう思っているか気になるから、自分をよく見せたいから頼まれると嫌と言えない人は、誰の目にも真面目できちんとした人と見られます。

しかし「余裕」がありません。いつもせっぱつまった状況に身を置いて行動します。そういう真面目な人はなかなか不真面目になれません。いい加減なことが性分に合わないから、何でも一所懸命になってしまいます。

そして、病気になるのはしばしば真面目で誠実な人たちなのです。
 
 
病気にならない予防法があるとしたら、考え方を変えることです。自分のルールだけが正しいのだと思わず、他人のルールも認める「余裕」をもち、物事にあまりこだわないようにしたほうがいいでしょう。

病気になりたくないと思ったら、病気のことを頭から追い出しましょう。病気を忘れて、時には好きなこと、楽しいことを優先させることです。

健康であるためにはどうすればいいか、と考えるのではなく、気持ちのいいこと、楽しいこと、好きなことをすれば、ことさら健康になりたいと考えなくても精神は健康になります。精神の健康は肉体の健康につながります。」
 
 
これからは外側の世界で正しいとされるルールに従順に従う人よりも、「正しさ」にこだわらず自分の感覚に従って楽しく気持ちよく生きる人が健康に、幸せに長生きできるかもしれませんね。


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