家に帰ろう

コロナウィルスの影響で世界はたいへんなことになっています。いかがお過ごしでしょう?

非常事態宣言が出され、外出自粛が求められて家にいる時間が長くなることで、家庭におけるDVや虐待の増加が懸念されていると言われています。

たとえば、以下の記事に書かれているように。

外出自粛、家族が息苦しい人へ――「愚痴が正気を保ち、先の見えない現実を生きる助けになる」

私はこの記事の最後を読んで、ずいぶん違和感を覚えました。

インタビューされている方は、臨床心理士で親子、夫婦関係などの家族問題を扱うカウンセラーということですが、その方が「家を安心できる場所とは考えられない若い人たちが安全に過ごせるように、社会ができることは何なのか……。申し訳ないけど、私にはわからない。」というのです。

確かに、家庭がなくなってしまったり、家庭にいられなくなるような状況がある方を社会が保護する必要があることは間違いありません。

しかし、本来、家庭がもっている役割を社会が代わりに受け持つことはできるのでしょうか? まずは家庭が家庭として健全に機能するにはどうしたらいいか、模索する必要があるのではないでしょうか。

具体的に言うならば、なぜ家族がうまくやっていけないか、親子関係、兄弟姉妹関係がうまくいかない原因は何かを突き止め、その原因を取り除き、家族が安心して暮らせる家庭を作る方法を見つけることです。

しかしこの家族問題の専門家の方は、「家族の問題を家族内で解決することはできない」と考えているようなのです。

「密着は暴力を招きます。これまではそれぞれ、職場や学校などお互いが外の社会に所属することで、一番安全であるべき家族が維持されていました」ということですが、これは逆ではないでしょうか?

人間関係の基本は、家族の中で学ぶものです。家族の中で安心して過ごすことができるから、外の社会でも安心して生きることができるのです。外の社会に所属しているから、安全な家族が維持されていた、というのは、おかしくないですか?

今回のように「人と人との間に物理的距離を取りましょう」と言われて気がつくのは、本来、人間というものは「くっついて生きたい」生き物ではないか、ということです。

それが、一番人間関係の密な家族においても「くっつきたくない」というならば、そちらの方をどうにかすべきだと思うのです。

「家族同士でくっつきたくなんてない!」という気持ちは、よくわかります。なぜなら、私自身、生まれた家で安心して暮らすことができず、小学校の頃から家を出たいと考えていたからです。

でも、アニカをやり続けて、家族同士の因縁を処理し続けてきた結果、あれだけ抵抗があった「家族」というものが、今は人間にとって自然なものに感じられます。

自分より上の世代に変わってもらうことは難しいかもしれませんが、少なくとも自分が作る家庭は、自分が変わることで「家族が仲良く安心して暮らせる家庭」にできると思います。

そして、自分を変えるには、自分と親との関係、親とそのまた親との関係の見直しがどうしても必要になります。そこで生じたさまざまなネガティブな感情が潜在意識に滞留し、自分が作る家庭にそのまま反映されるからです。

アニカを使って、たくさんの人が居心地のよい家庭を作ることを願っています。これから家庭を作っていく子どもたちのためにも。


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