科学で死後の世界はわかるのか?

前回の続きです。

ということで、死後の世界は物理世界にはないので、科学では死後の世界は扱えません。では、目に見えない(私たちの認識が及ばない)死後の世界はどこにあるかというと、形而上学的世界、現代で言うならば「心の世界」にあると言えるでしょう。死後の世界は、私たちの心の中にあるのです。

(何とでも言えますが、

見えない世界=形而上学的世界=精神世界=情報空間=霊界=心の世界

です)。

それでですよ、カントは形而上学的世界は現象界(物理世界)ではないので、私たちの認識は及ばない、としたではないですか。でも、霊能者はどうなのだろう?(笑)。霊能者は、目に見えない形而上学的世界(霊界と言ってもいいでしょう)にアクセスできるのだから、いろいろな情報を知ることができるのではないか? 霊能者だって人間ですから、結局、人間は形而上学的世界への認識ができるのではないか? というのが私の疑問です。

前記事の物理学の先生のように、「科学は物理世界を超えた世界について何ら言うことも考えることもない」と言っている人が、物理世界を超えた世界にアクセスできる有能な霊能者に出会ってしまったら、いったいどういうことが起こるのでしょう?

そんなことが起こってしまったのが、前世療法のワイス博士のケースです。

ワイス博士は、アメリカで精神科医をやっていました。マイアミ大学付属病院の精神科主席教授であり、生物精神病学と薬物中毒の研究によって、全米に認められていた、というバリバリの科学者です。

その科学者が、患者として来たバリバリの霊能者(しかも催眠時のみ、顕在意識ではごく普通の人)に出会ってしまい、自分が学んだ科学ではとても説明できない経験をしてしまった。

ワイス博士が偉かったのは、そこでごまかそうとしなかったことです。ワイス博士自身も書いていますが、そのような不思議な経験をしたことがある科学者は身の回りにもたくさんいたそうですが、自分の立場などを考えて、なかなかそのことを認めることができなかった。要するに、科学者としての信念を根底からくつがえすような現象を受け入れることができず、ほとんどの人がなかったことにしていたのですね。

ということで、前世療法は科学者である医師と霊能者のコラボから生まれたのです。「科学は物理世界を超えた世界について何ら言うことも考えることもない」と言ってすましている科学者たちには絶対に不可能な創造と言えるでしょう。

ところで20世紀には、そうした見えない世界にアクセスできるのは一部の特殊能力者、超能力をもった人に限られる、と考えられていましたが、21世紀になって、もはやそれは一部の人の能力ではない、と言えるようになった、と思われます。たとえば、アニカをやっている人たちのように。

なので次に考えるべきことは、優秀な科学者でさえ認めざるを得ない「死後の世界」にアクセスできる能力をもつ私たちは、その見えない世界からの情報をどのように今生の人生に役立たてていけばいのか?となるでしょう。

それは簡単で、ただ「反省」すればよいのです。

本当かウソかわかりませんが、ブッダは菩提樹の下に座って、自分のさまざまな過去世における出来事をずっと思い出していき、過去世におけるさまざまな経験を「十二縁起(十二因縁)」に抽象化して悟りを得た、といいます。これはけっこう象徴的な話です。ギリシャ悲劇の「オイディプス王」のように、自分が何者かを悟るには、自分の知らなかった過去のいきさつを知る必要があるのです。

死後の世界=生前の世界で何があったのか、そのいきさつを私たちはすべて忘れていますが、そのときの感情記憶だけは残っています。だから、今生で私たちが経験すること、誰のもとに生まれるか、誰と出会うか、どんな仕事をするか、誰と愛し合い憎しみ合うかは、すべて生前の世界における経験とその経験から生じた感情のエネルギーが動力源となって私たちが突き動かされた結果なのです。

だから、自分が過去世においてやってしまった過ちを認め、反省すること、そのときの苦しい感情をもう一度感じてきれいに浄化すること、それが私たちが今生を幸せに生きる条件となる、というのが私がこれまでアニカをやってきて得た結論です。

そして重要なことは、今や見えない世界を感じることは、霊能者の独占市場ではなくなってきた、ということです。もはや自分の生き方を霊能者などの特殊能力者に問う必要はない。それは自分でわかるし、決められる、ということです。そういうトレーニングをアニカのコースではやっています。

アニカの方法によれば、誰でもルーツ(先祖・過去世)の感情記憶を感じることができます。それはもはや霊能者の超能力ではなく、人間なら誰しももっている「感じる」という能力の延長線上にあるごく普通の能力に過ぎません。その普通の能力を使って、自分の人生を切り拓いていくことができるのです。

それは、少しトレーニングをして、自分ならではの「感じる」能力を深めていけばできるようになる。しかもその「感じる」能力は、いくら論理的、科学的に考えても答えの出ない自分の人生における「問い」に答えを出してくれる、今生を幸せに生きていく上で欠かせない能力である、と私は感じています。


結論。前の記事に出てきた物理学者の先生の本は、「科学にすがるな!」というのですが、その通り、私たちは科学にすがらなくても、自分自身の「感じる」能力を開発することによって、科学を超える見えない世界の認識を得ることができ、そこで得た情報をもとにして、家族の不和、仕事やお金のトラブルなど、人生に起こるさまざまな不都合を取り除き、より幸せに生きていくことができる、ということです。

まぁ、その道を実践するのは、楽なことばかりではありませんが。。。(笑)。その話はまた別の機会にさせていただきますね。


参考文献:
「前世療法」ブライアン・L・ワイス(著)


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