魂の決めたこと

人間の人生に降りかかってくるさまざまな不都合、家族の不和、病気、仕事の問題、お金の問題、人間関係の問題などは、どうしたら根本的に取り除くことができるでしょう?

アニカでは、こうした不都合の原因を過去に生きたルーツ(親から始まる先祖・過去世)に求めます。ルーツが経験したさまざまな不都合から生じたネガティブ感情が、潜在意識を通して私たちに大きな影響を与えているので、私たちはルーツと同じような不都合な経験をしてしまう、というのがアニカの見解です。

アニカでは観察の瞑想の観点から、ルーツが残したネガティブ感情を捉えて感じることにより、これを処理し、消去していきます。感じること、共感することは人間共通の能力ですから、アニカは誰にでも問題なくできるはずです。

さて、ここでネガティブ感情が感じてもなかなか消えない、という現象があります。その理由は、ルーツのネガティブ感情を「見たくない」「感じたくない」というものです。

なぜ「見たくない」「感じたくない」のか? それは考えなくてもお分かりのように、誰も身内のネガティブ感情など感じたくないのです。だから、アニカでは、できるだけ身内のネガティブは他人に処理をまかせ、自分は他人のネガティブ処理を手伝います。赤の他人であればあるほど、他人のネガティブ感情はよく感じられるので、その原理を応用したミラーリング(他人の観点を鏡のように利用して感じる)方法もあります。

もうひとつ、「見たくない」「感じたくない」理由に過去生における「因縁」があります。人が今生でつき合う人たちは、過去世において何らかの関わりをもった人たちがほとんどです。その最たるものは家族です。関わりといっても良い関わりばかりではありません。さまざまなトラブルがあり、お互いに恨みをもっているようなこじれた関係もしばしば見受けられます。

親子、兄弟姉妹など、家族になる関係においても、同じことが言えます。観察していると、過去世でよい関係にあったのでまた今生でも家族になった、というよりも、過去世でトラブルがあったから今生でも家族になった、というケースがまれではありません。きっと、今生でもう一度やり直して何とかしようという魂の意図があるのではないか、と思えます。

なので、家族関係のトラブルは、最も処理がたいへんであることは間違いありません。しかし、この最も処理が難しい家族の問題に取り組むことが、人間関係のみならず、仕事、お金、など多くの方面での問題解決に直結していることは間違いありません。

アニカで重要なのは、「見たくないものを見ること」「感じたくないことを感じること」です。それは、「ごまかさずに本当のことを受け容れ、認めること」でもあります。常々言うように、アニカでは「他人の観点を借りて自分が見たくないものを見る」ということをやっているのです。正直言って、そんなしんどいことはなかなかできることではありません。

しかし、「ごまかさずに本当のことを受け容れ、認めること」の効果には劇的なものがあります。それはそうでしょう。まさに人生を変える劇薬です。

アニカの処理が進むにつれ、自分が被害者の立場を経験したことから生じたネガティブを処理した後に、自分が加害者だったことから生じたネガティブも処理しなければならなくなります。その場合、自分が被害を与えてしまった人たちのネガティブも処理しなければなりません。しかも、今生だけではなく過去世のときの経験も含まれます。

前に親の借金を返す話を書きましたが、親から始まる先祖がやってしまったことについても同様に、先祖が加害者であれば、被害者として恨んでいる人たちのネガティブも処理しなければなりません。

気が遠くなるようなネガティブ処理の連続ですが、アニカではそういうことをやっています。

「ホームページを見ると簡単そうに書いてあるけど」と思われる方もいるでしょう。確かに最初は簡単です。アニカ本に書いてある体験談の多くは、対面アニカや遠隔アニカをただ1回受けただけで、あのような効果が出たのは事実です。

しかし、マスターコースに参加してアニカの道を進んでいくと、本当に心を浄化するのはそんなに簡単なことではないことがわかり始めます。今生の自分はもちろん、ルーツがやってしまった見たくない、感じたくないことも認めなければなりません。

当然、耐え切れなくなってやめてしまう方もいらっしゃいます。現在、コースに参加して浄化を続けている皆様には、頭が下がる思いです。

なぜ、こんなにしんどいことを続けられるのか? 私が思うのは、それは「魂が決めたこと」だからではないか、ということです。顕在意識でいくら「嫌だ」、「納得がいかない」、「飲み込めない」と言っても、魂レベルで「浄化する」という決意があるからこそ続けられるのではないか、と考えています。

ひとつ救いがあるとすれば、正直にやっただけの成果は必ず返ってくる、ということです。私自身も、そのことを信じて、今日もやっかいな過去世のネガティブに取り組んでいます。


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