アニカ・マスターコースのアシスタント、リーディング担当の谷津絵美子の体験談です。お父さんとの関係の変化について、書いてもらいました。
「一番の苦しみは私の家族のことでしたが、物心つく頃から同居の姑のことで傷つく母を見続け、母の苦しみを聞き続けた子ども時代はとても苦しいもので、母を守れない自分への失望と、父に対しての強い怒りがありました。加えて思春期を迎える頃になると、4歳年上の姉と父との関係がとても良くなかったので、いつの頃からか私も父に対して素直な気持ちを持てなくなっていたのです。
父と話をすると、いつも最後には傷つけられて終わる、というパターンがあって、そのたびに「あぁやっぱり」と思っていました。自分のことを受け止めて欲しい、どんな自分もありのままを分かって欲しいという切望がありましたが、子どもの頃から父の顔色を見ながら機嫌をとることばかりしてきたので、本当の自分の思いをぶつけることをとても怖く感じていました。
産後鬱をきっかけに、家族の中の私の役割や立ち位置を初めて外から眺め、育った環境の現実を目の当たりにした時、自分の存在価値と自己肯定感を失ってしまいました。そうしながらも3人の子どもの子育ては毎日続き、単身赴任の夫を頼ることもできずに孤独感は募るばかりです。
その後、カウンセリングを受けたり自分でも学ぶ中で、子どもの視点ではなく、夫を見る妻(母)の視点で父を見てきたこと、「本当は、私はずっと父が大好きだった」ということに気づきました。でも、思考では理解できても感情がついていかないので、相変わらず苦しんでいました。それが、アニカのおかげで私の本当の思いを感じられるようになったのです。
マスターコースでアニカをしてもらうと、皆さんが私の孤独感や甘え願望を感じてくださって、そのままの私を受容していやしてくれました。マスターコースの日の最後には、私はいつも小さな子どものような気持ちになります。「どんな自分を求められているか」とか、「何を言わなければ(あるいは言っては)いけない」とか考えることもなく、私のままでいられるのは本当に居心地の良いものだと感じます。
ある時、「もう、父に傷つけられることは決してない」と思いましたが、事実その通りで、今では「お父さん大好き!」の思いを常に感じながら、コミュニケーションをとっています。驚いたことに、以前なら絶対にできなかったであろうことですが、父の体調の悪いときなど、しばしば父にアニカをするようになりました。
一昨日、アニカの話をしたあとで父にじっくりアニカをさせてえもらいましたが、その時初めて深く感じさせてくれて、父が抱えてきた、苦しみ・孤独・さびしさ・責任感などに涙しました。それは私が持っていたネガティブ感情と同じであり、私の感じやすさも傷つきやすさも父と同じなのだと、初めて父を理解えきたような気がしました。私が理解してもらえないと思っていたように、父もまた家族の中で理解されずに傷ついてきたのだと思います。
いまは、父が長年の苦しみから解き放たれ、身体も健康になることを願っていますし、家族として共に生きられる時間にこのような心になれたことに感謝しています。これからもアニカを学ぶ中で得られるたくさんの気づきを大切にして、自分の心と向き合っていきたいと思います。」