
「夫婦喧嘩のあと、謝ってくれたのに、どうしても許せない…」
「こんな自分は心がせまいのかも…」
「このモヤモヤ、どうにかしたい…!」
そんな気持ちになっていませんか?
夫婦は毎日一緒に過ごしているからこそ、ぶつかることも多いでしょう。
喧嘩をしてもお互いに素直に謝り合って、すっきりと仲直りできればいいのですが、実際は「どうしても許せない」と感じてしまうこともあるものです。
本記事では、夫婦喧嘩で謝られても「許せない」と感じてしまう理由と、そんな気持ちになった時の対処方法について解説します。
気持ちを楽にする方法が見つかるはずなので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
夫婦喧嘩後に謝れても許せない2つの理由
夫婦喧嘩後、謝られても許せない理由について2つ解説していきます。
感情の整理が追いついていないから
1つ目の理由は、感情の整理が追いついていないことです。
人間は怒りの感情が2時間は続くと言われています。
夫婦喧嘩で怒りの感情が生まれ、直後に謝られたとしても、すぐに怒りの感情を鎮めるのは難しいということです。むしろ許せない感情が持続するのはごく普通のことなのです。
悲しみの感情に至っては120時間は長引きます。許せないという感覚は5日間は持続すると考えて良いでしょう。
実際の、ベルギー・ルーヴェン大学の研究結果は以下の通りです。
この研究結果からも分かるように夫婦喧嘩のあとに許せない気持ちがあるのは、決して珍しいことではありません。
感情の整理には時間がかかるものですし、相手をすぐに許せないと感じるのも、ごく自然な反応なのです。
パートナーへ日頃の不満が溜まっているから
家事を手伝ってくれない、あの態度が気に食わない、生活態度で気になることがある…など些細なことで不満が積もり積もっている場合、素直に許すことが難しくなるでしょう。
実際に家事・育児分担への不満が夫婦関係の満足度を低下させることは、研究でも報告されています。
「性役割観と夫婦満足度に関する質的研究」では、家事・育児の分担への不満が関係の不満足に繋がっていることが示されており、表面的な謝罪では不満が解消されにくいことが明らかになっています。
引用:性役割l観にずれがあることや、家事・育児分担に不満があることが夫婦関係満足度を低下させていたことなど(堀口, 2002) 数多く報告されている 参考サイト:性役割観と夫婦満足度に関する質的研究 |
このような研究結果からも、日頃の不満は夫婦関係を悪化させることに繋がることが分かるでしょう。
夫婦関係が悪化していると喧嘩した後も、なかなか許すことができずに怒りの感情を抱いたままになるのです。
夫婦喧嘩後に謝られても許せない時の7つの対処法
夫婦喧嘩の後に許せないととても辛いですよね。
そんな時にできる7つの対処方法をご紹介します。
なぜ許せないのか、紙に書いてみる
まず「自分がなぜ許せないのか」を紙に書き出してみましょう。
この方法は、名古屋大学の研究でも効果が実証されています。
名古屋大学の研究では、「怒りの原因を紙に書き出す」ことで、怒りの感情が軽減されることが明らかになりました。
引用:名古屋大学大学院の川合伸幸教授らの研究グループは、怒りを抑制する方法を新たに発見。実証実験により、怒りを感じた状況をなるべく客観的に紙に書いて、その紙を捨てるか、シュレッダーで裁断すると怒りが消失することを明らかにした。 参考サイト:怒りを「書いて捨てる」と気持ちが鎮まる、名古屋大学が実証 |
自分の中にある複雑な感情や思考を“見える化”することで、冷静に整理できるようになるからです。
「なんで自分はこんなにイライラしてるんだろう?」と客観的に自分を見つめることで、感情のコントロールがしやすくなります。
「本当はどうしてほしかった?」と自分に問いかける
あなたの本音に耳を傾けてみましょう。
怒りは「第二の感情」とも言われていて、その裏には、わかってもらえなかった寂しさや、不安、虚しさといった“本当の気持ち”が隠れていることが多いです。
引用:怒りは「二次感情」であるといわれており、自分のことを「わかってくれない」「構ってくれない」といった不安や不満、焦り、虚しさなど、自分自身の「一次感情」が発端となり、そこから発生するのです。 参考サイト:感情を整える2通りのメソッド |
「どうしてあのとき、あんなに腹が立ったんだろう?」
「イライラの前にどんな気持ちになっていたのか」
このように怒りの前に感じていた“第一の感情”は何だったのかを自分自身に確認してみるといいでしょう。
一次感情が分かった後は「本当はどうしてほしかったんだろう」と問いかけてみましょう。
本当の望みを知ることにより、気持ちの整理がつき心を整えることができるようになります。
少し距離をとって落ち着く
夫婦喧嘩の後、どうしても心がザワザワして落ち着かないときは、無理に話し合いを続けず、その場から少し離れるのも大切です。
喧嘩をしていてヒートアップしている場合、そのまま話し続けても冷静に相手の言葉を受け取ることは難しくなります。
心理療法士のゴットマン博士によれば、心拍数が毎分100拍を超えるような状態では、相手の話をきちんと理解することができなくなるそうです。
引用:ゴットマン博士は『結婚生活をうまくするための7つの原則』の中で、洪水に関する自身の研究について、「心拍数が毎分100拍を超えると、どんなに頑張っても配偶者が何を言おうとしているのか聞くことができなくなる」と説明しています。 参考サイト:生理的な自己鎮静 |
感情が高ぶってきたと感じたら、無理に話し合おうとせず、いったん距離をとってクールダウンすることが大切です。
体を動かして気分を切り替える
気持ちがモヤモヤしているときや、怒りが収まらないときは、軽く体を動かしてみるのも効果的です。
実は、運動は心にも大きな影響を与えることがわかっています。
引用:「運動をすることで、交感神経が優位である時間が長くなりポジティブになりやすいということが分かっています。また、軽い運動でも、ストレスを解消させるためのホルモンが分泌されるのです。」 参考サイト:運動がメンタルヘルスに与える影響 |
散歩をしたり、ストレッチをしたりするだけでも、気分が切り替わって冷静さを取り戻しやすくなります。
仕事で行き詰った時、気分転換にコンビニに飲み物を買いにいったり、肩を回したりしてリフレッシュできた経験はないでしょうか。
こうしたちょっとした動きでも、心と体にいい影響を与えてくれます。
感情が高ぶっているときや考えがまとまらないときは、無理にがんばろうとせず、まずは体を動かして気分を切り替えることから始めてみましょう。
相手への期待度を下げる
パートナーへ過度に期待しないようにしましょう。
「もっと優しくしてくれたらいいのに」
「こういうときは、こうしてくれるのが普通じゃないの?」
こんなふうに、無意識のうちに相手に“理想の姿”を求めてしまうことは誰にでもあると思います。
しかし、「こうあってほしい」という理想像と「実際の相手とのギャップ」が大きくなればなるほど、私たちはストレスを感じやすくなってしまうのです。
実際に、相手への期待と現実のズレが大きいほど、心の不調や落ち込みに影響することが研究でも指摘されています。
引用:相手に対してどの程度期待しているかという役割行動期待度と,実際に相手がどの程度その行動を遂行しているかという役割行動遂行度を測定し,2つの差得点を役割期待のずれとして算出している。この役割期待のずれは精神的健康や抑うつと関連することが指摘されている 参考サイト:対人問題の困難さと重要な他者に対する役割期待のずれ,精神状態との関連 |
夫婦喧嘩をした後も「普通はもっと必死に謝るべき」「もっと誠実に謝ってほしい」など期待をしているのかもしれません。
まずはあなたがパートナーに対して、過度に期待をしていないか自分へ問いかけてみましょう。
他人の目で自分を見てみる
喧嘩後に感情が高ぶっているときは、冷静な判断ができなくなります。
そんなときこそ、一歩引いて“他人の目で自分を見る”ことが大切です。
これを心理学では「メタ認知」といい、自分の感情や考えを客観的にとらえる力として知られています。
「メタ認知能力」が高いと、目の前の出来事に振り回されることが減っていくため、物事を冷静に判断することができるのです。
引用:メタ認知能力が高いと、目の前の事態に振り回されず、状況を俯瞰的に見て問題の本質を捉えられます。問題の本質に基づき取るべき適切な行動を導き出せるため、どのような状況においても柔軟に課題を解決できるようになります。 参考サイト:メタ認知が高いことのメリット |
感情に押しつぶされそうな時は、「今の自分ってどんな状態だろう?」と一歩引いて見てみることがとても大切になっていきます。
第三者のような視点を持つことで目の前の出来事に振り回されにくくなり、問題の本質にも気づきやすくなるでしょう。
自分だけが正しいと思い込まないようにする
喧嘩をしたあと、「自分は間違っていない」「相手が悪い」と強く思い込んでしまうことは誰にでもあることですが、その思い込みが強くなると、相手の言い分や気持ちに目を向ける余裕がなくなってしまいます。
引用:偶発的な怒りと全体的な怒りはどちらも、視点の取り方を低下させます。 参考サイト:癇癪や視点を失う:怒りは視点を狭める |
怒りで気持ちが高ぶっているときは、つい相手のせいにしてしまいがちです。
自分の考えに固執してしまい、相手の気持ちに目を向ける余裕もなくなってしまうでしょう。
怒っている最中は仕方のないことですが、気持ちが少し落ち着いてきたら、「もしかしたら、自分にも悪かったところがあったかもしれない」と振り返ることが大切です。
怒りの正体は、心の奥にしまい込んだ本音
怒りの感情は、あなたの心の奥にある「本音」から生まれています。
引用:他の感情が怒りに拍車をかけているときがあり、私たちはその下にある生の感情を保護するために怒りを使用します。 参考サイト:怒りの氷山 |
こんな経験ないでしょうか。
・パートナーに無視されて腹が立った。
・友達が約束をドタキャンしてイライラした。
無視されたり、ドタキャンをされたりすると怒りの感情が湧いてくると思いますが、自分の心をよく見つめてみると別の感情があることに気が付くと思います。
・私の存在をぞんざいに扱われたようで悲しい
・大切にされていないみたいで寂しい
このように怒りの感情ではなく、「寂しさ」「悲しさ」「悔しさ」などの繊細な感情が本当の気持ちだったということも多いのです。
怒りを感じたときこそ、「本当はどう感じていたのか?」と問いかけてみましょう。
その時に出てきた感情こそが、あなたの“本音”なのです。
本音が分かったら、「そんな風に感じていたんだな」と、自分の気持ちを否定せずに受け止めてあげてください。
受け止めることで、あなたの感情は落ち着きを取り戻していくでしょう。
こんな感情を抱くのは自分が弱いからだ…などネガティブになる必要はありません。
むしろ今まで自覚していなかった“本音”に気づけたこと自体が、素晴らしいことなのです。
また、自分では「本音が分からない」という方も多いかもしれません。
怒りの感情が強く本音が分からない場合は、子どもの頃の傷、親との関係などが深く関係していることもあります。
そんなときに役立つのが「アニカ」です。
「アニカ」は誰もが持っている「感じる」という能力を活用した瞑想系ヒーリングです。
引用:アニカは、悩みのもととなっている無価値観、罪悪感、恨み、妬み、怒り、悲しみ、さびしさ、恐怖などのネガティブな感情の原因を探っていきます。 アニカ|生きづらさを根本解消するため瞑想系ヒーリング |
特に「アニカ」には夫婦・パートナーシップの悩みを抱えた方が数多く訪れます。
悩みを抱えた方が「アニカ」により自分の本音が気づき、解決へと向かっています。
一人では自分の本音が分からない…そんなときは、どうか私たちにお手伝いさせてくださいね。
まとめ
夫婦喧嘩の後、謝られてもどうしても許せない…。そんな状況は誰にでも起こります。
感情が整理できていなかったり、長年積み重なった不満が原因になっていることもあるでしょう。
許せないことに対して、さらに気持ちが高ぶってしまうこともあるかもしれません。
そんな時に大切なのは、相手を責めることではなく自分自身の気持ちを見つめ直すことです。
・怒り以外の感情はないか
・相手のことばかりを責めていないか
怒りが少し落ち着いたタイミングで、心に問いかけてみてください。