母に優しくできないあなたへ──その罪悪感は、“母のインナーチャイルド”を背負ってきた証かもしれません

「母に優しくできない——」
それが、ずっと心の中で引っかかっている。

電話が鳴るたび、LINEが届くたび、
気が重くなる自分を責める。

母はもう高齢で、先が長くないかもしれない。
だからこそ——
「このままじゃ、後悔するかも」と焦ってしまう。

それでも、優しくできない。
話すとイライラしてしまうし、
顔を見ると、なぜか心がザワザワする。

そんな自分に、罪悪感を感じて、
夜になると涙が出る。

でもそれは、あなたが“冷たい人間”だからではありません。
むしろその苦しさは、あなたが子どものころから、
ずっと「お母さんのインナーチャイルドの世話」をしてきた証なのです。

母に優しくできない──それが一番つらい

母と普通に話せない苦しさ

「もっと優しくしたい」
「できれば、普通に話せるようになりたい」
「でも、できない」——

こうした葛藤を抱えている人は、意外と少なくありません。
けれど、それを他人に言うことはとても難しい。
「母に冷たくしてしまう」と口にした途端、自分が“悪者”になってしまいそうだから。

ある人はこう言いました。

「母と電話してるとき、つい言い返してしまって。電話を切ったあと、涙が止まらなくなったんです。罪悪感でいっぱいで……でも、また次に話すときには、同じことを繰り返してしまう。」

この「どうしても優しくできない」という感覚。
それは単なる“性格の問題”でも、“育ちの問題”でもありません。

もっと深いところに、理由があります。

母に反応してしまう“もう一人の自分”

あなたの中には「大人の自分」がいます。
母の老いを理解し、感謝の気持ちもあるし、
頭では「もう怒る必要はない」とわかっています。

それでも、いざ母と顔を合わせると、
心の奥から別の自分が顔を出してきませんか?

怒りっぽくて、寂しがりやで、
本当は母にもっと愛されたかった「小さな自分」。
その“小さな自分”は、今も心の奥に残ったままです。

だからこそ、母の何気ない一言や表情に
胸がチクリとしたり、反射的にイライラしてしまう。
それは理屈ではなく、心の奥に眠る感情が反応しているだけなのです。

母に反応してしまうのは、弱いからでも、心が狭いからでもありません。
幼い頃に満たされなかった思いが、今も安心や愛情を求めているのです。

罪悪感は、「優しくしたい気持ち」がある証拠

母に優しくできないとき、胸の奥にずしんと重くのしかかる罪悪感。
「どうして、もっと優しくできないんだろう…」
そんなふうに、自分を責めてしまうことがあると思います。

でも、罪悪感を感じるのは、あなたの心の奥に本当は母と仲良くしたい気持ちがあるからでしょう。
「もっと関係をよくしたい」「本当は優しく接したい」——
そう思っているからこそ、できなかった自分を責めてしまうのです。

母に優しくできない本当の理由は、別にあなたが冷たい人だからではなく、
母との関係の中で、それだけ深く心が傷ついてきたからなのです。

幼い頃に家庭で感じた小さな悲しみや寂しさが、今も心の奥に残っている。
その痛みがふと顔を出すから、思うように優しくできないだけなのです。

あなたは子どもの頃から、母のインナーチャイルドをケアしていた

なぜそんなに傷ついてきたのか?

「母親」という存在は、大人で、しっかりしていて、
子どもを守る側だと私たちは思い込んでいます。
でも現実には——
“母自身”が、子どもだったことはありませんか?

気分が不安定だったり、
急に泣いたり怒ったり、
「私はこんなに大変なのに!」と被害者のようにふるまったり。

そんな母を前にして、
本当のあなたはこう思っていたかもしれません。

「お母さん、大丈夫だよ」
「私ががんばるから、泣かないで」
「私さえ我慢すれば、お母さんは落ち着く」

子どもだったあなたが、母親の面倒を見ていたから

本来なら母が子どものケアをすべきなのに、
なぜかあなたが、母をなだめ、支え、感情の世話をしていた。

これはつまり、
あなたが「母のインナーチャイルドの親」をしていたということです。

インナーチャイルドとは、
誰の中にも存在する“内なる子ども”の部分です。

寂しさ、怒り、不安、甘えたさ、悲しみ。
幼い頃に満たされなかった気持ちは、
そのまま「感情のかたまり」として大人になっても残り続けます。

母の中にも、当然その子どもは存在しています。
でもその感情を母が感じきれていないと、
子どもが、それを“代わりに感じてしまう”のです。

これは「身体共鳴」として、科学的に説明できる事実です。

子どもは親の抑圧された感情を身体で感じて共鳴している

たとえば、母親が日々の生活に不安を感じていたり、
父親が過去の怒りを抑え込んだまま過ごしていたりすると、
その“空気”は家庭の中に漂い、言葉にならない形で子どもに影響します。

私たちの身体には、目には見えない“共鳴のセンサー”があります。
このセンサーは、特に家族間で強く働きます。
つまり、親が無意識に抱えている感情は、子どもに「身体で伝わってしまう」のです。

この現象を、最近では「身体共鳴(body resonance)」という理論で説明できるようになってきました。
共感神経系、ミラーニューロン、心拍変動の同期(HRV)など──
最新の神経科学は、「感情は身体を通じて共鳴し、共有される」ことを示し始めています。

あなたは、母の“感じきれなかった感情”を背負っていた

あなたが子どもだったころ、
母のインナーチャイルドは、きっとこんなふうに叫んでいました。

「私はさびしい」
「もっと認めてほしい」
「誰か、私を助けて」

でも母は、その内なる声に向き合おうとしなかった。
なぜなら、それは一人で何とかするのは難しいことだから。

もしお父さんが、いっしょにその気持ちを感じてくれたらよかったのに、
そうはならなかった。

だからその感情は、いつも空気のように家庭に漂っていた。

そして、最も感受性の強い子どもであるあなたが、
それを“身体で”感じ取っていたのです。

だから、あなたの中の“子ども”は、今も後回しのまま

母の不安や寂しさに付き合うために、
あなたのインナーチャイルドは、ずっと我慢してきた。
甘えることも、泣くことも、わがままを言うことも——
自分の感情を感じることすら、許されなかった。

そして今も、
あなたは無意識に「お母さんの世話をしなきゃ」と思っていて、
自分のケアを後回しにしているのです。

優しくできない理由は、あなたが未熟だからではなく、
「すでに長い間、母の感情を抱えすぎて、疲れ切っている」から。

あなたの“インナーチャイルド”は、今だに置き去りにされている

自分を後回しにしてしまう癖がついてしまった

子どもの頃から、
お母さんの感情のケアをしてきたあなた。

そのときからずっと、
“あなた自身の気持ち”は後回しになってきたのではないでしょうか。

本当は、抱きしめてほしかった。
話を聞いてほしかった。
わがままを言って、怒られて、でも許されたかった。

でも、あなたは
「いい子」でいることを選んだ。
「空気を読む」ことを覚えた。
「母を傷つけないように」自分を抑えて生きてきた。

そして今も、その癖が残っているのです。

“母に優しくできない”のは、自分の中の子どもが泣いているから

あなたが母に対して冷たくなるとき、
イライラするとき、
どうしようもなく拒絶したくなるとき——

それは、大人のあなたではなく、
あなたの中の「小さなあなた」が、必死に叫んでいるのです。

「もう無理だよ」
「お母さんの面倒、もう見たくない」
「私のこと、誰か見てよ」

その叫びに、ようやく今、気づいてあげるときが来たのかもしれません。

これ以上「親の感情を背負わない」ために

お母さんのことが気になるでしょう。
介護や老後のこと、気がかりなこともあるでしょう。
でもそれでも、順番を変えてみてください。

「まず、私の中の子どもを癒す」
「まず、私が自分の味方になる」

——それは決して“自己中心”なんかではありません。

むしろそれが、
これ以上「親の感情を背負わない」ための唯一の道なのです。

健全な親離れは、自分を優先し、尊重することから始まります。

インナーチャイルドはひとりでは癒せない

「インナーチャイルドを癒す」と聞くと、
自分でノートを書いたり、瞑想したり、
ひとりで向き合わなければいけない、と思っていませんか?

でも本当は、
感情は“ひとりでは癒せない”ようにできているのです。

感情は、“誰かといっしょに”感じてはじめて動く

幼いころ、あなたが母の感情を受け取りすぎてしまったのは、
感情には「共鳴する」という性質があるからです。

人の感情は、表情や声のトーン、体の空気感を通じて、
無意識のうちに、身体レベルで伝わってしまう

でも逆に言えば——
誰かがあなたの気持ちに“共鳴してくれる”ときに、癒しが起きるのです。

アニカは、インナーチャイルドを“いっしょに感じる”場

アニカでは、セラピストがあなたのインナーチャイルドの感情に身体で共鳴し、
あなた自身が“感じきれなかった気持ち”をいっしょに感じていきます。

すると、不思議なことに——

言葉にできなかった思いや、
ずっと抑えていた感情が、
自然に浮き上がってくるようになります。

そして、その感情を気が済むまで感じたときに、
現実の変化が奇跡のように起こります。

癒しは、「安全な場」ではじめて起こる

感情には順番があります。
まずは安心すること。
そして、少しずつ心を開くこと。
その上でようやく、深い癒しが始まる。

だからこそ、
誰かがいっしょに、安心して感じてくれる場が必要です。

実際にこんな変化がありました──アニカ体験談より

母との関係が劇的に変わったNさんのケース

Nさんは、家のすぐ近くに住んでいるお母さんに、長らく会いに行けませんでした。
会えば必ず嫌な思いをする──そんな確執が続き、何度も解消を試みるものの、手強いネガティブ感情に何度もくじけそうになったといいます。

しかし、アニカでインナーチャイルドの声に耳を傾け、マスターセラピストの谷津絵美子から
「今なら会いに行っても大丈夫」という感覚を受け取ったNさんは、勇気を出して母に会いに行きました。

すると、これまで心の奥にあった怒りがすっと消え、目の前の母が愛おしくてたまらなくなったのです。
思わず号泣し、何度も母を抱きしめる自分がいました。

「アニカのおかげで、こんな素晴らしい景色を見られるなんて奇跡だと思いました。
大きなネガティブの塊が外れた感覚があります。
今でも信じられないくらいの、大きな嬉しい変化でした。」

その後も自然に母に会えるようになり、関係は本来の温かさを取り戻しつつあります。
Nさんは、これからもアニカを学びながら、さらに自然な親子関係を育んでいきたいと語っています。

20年越しのわだかまりがほどけたHさんのケース

アニカ・マスターコースに参加していたHさんは、ある朝、母親と大喧嘩をしました。
普段なら途中で母に「もういいから!」とシャットアウトされて、話し合いにならず、Hさんもあきらめてしまう関係でした。

ところがその日は違いました。思っていたことを最後まで伝えることができたのです。

すると、母から思いがけない言葉が返ってきました。

「20年前にあなたにしたこと、ずっと謝らなくてはと思っていた。
自分が親に進学させてもらえなかったから、あなたに勉強を押しつけた。
あなたが良かれと思ってやったことをバカにしたことも覚えている。」

今まで謝ったことのない母が、自分の記憶をたどりながら謝ってくれた──その瞬間、Hさんの心の中の何かがほどけた感覚がありました。

さらに母は、こう言ってくれたのです。

「親子関係が歪んでしまったと思っていた。
これからはいい関係を築こうね!」

最低限の会話しかなかった親子関係に、思いがけない希望の光が差し込みました。
Hさんはこう振り返ります。

「母がそんな前向きなことを言うなんて、本当に驚きでした(笑)。
謝ってもらえただけでも十分だったのに…。
これからはもっと自分も変われる気がします。」

まとめ

母に優しくできない——
それは、あなたが母の感情を背負ってきた証です。

だからこそ、
今度はあなたの中にいる子どもに、手を差し伸べてあげてください。

そのとき、
あなたの心に重くのしかかっていた罪悪感は、
すこしずつ、ほどけていくはずです。

そして、
「その癒しのプロセスをひとりでやらなくていい」と思えたとき——
あなたはきっと、もっと自由に、もっと優しく生きられるようになるでしょう。

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