選択の自由

以前、「フィンランド症候群」という記事を書きました。

なぜ、きっちり健康管理をした人より、しなかった人たちの方が病気にならずに済んだのか? その理由について、最近読んだ本のなかに「これじゃないか?」と思えるものが出てきました。
 
 
その本とは「選択の科学」シーナ・アイエンガー(著)

著者は、インドからの移民で、高校にあがるころには目の疾患でほぼ全盲に近い状態になってしまいました。

両親が厳格なシーク教徒であったため、家庭生活では、何を食べ、どんな服を身に着け、どこで働き、誰と結婚するかまでシーク教の教えと両親により決められるはずでした。
 
 
しかし、彼女はアメリカの公立学校に上がったとき、「あまりにも明るく光り輝いているために目が見えない私でも感じることができた」という強烈な力を見つけたといいます。

その力とは「選択する」ということでした。
 
 
「そこでは、自分のことを自分で決めるのが、あたりまえというだけでなく、誰もが自分で選択をする、選択権をもっていると主張する、そのことによって成り立っているということが肌身でわかったのです。」

そこで彼女は「選択」を自分の研究テーマにすることにしたのです。
 
 
この本のなかには、「選択できない」という意識が健康に悪影響をもたらすかどうかという興味深い実験が出てきます。

老人ホームでのある実験では、入居者をふたつのグループに分け、ひとつのグループには、一人ひとりに鉢植えを配り、しかし鉢植えの世話自体は看護師がすると申し渡します。また映画の上映が木曜日か金曜日にあると言い渡されました。

いまひとつのグループは、自分で鉢植えを選び、自分で世話をすることができました。さらに、映画もどちらか好きな曜日を選んで観てよいと言われたのです。

これだけの違いであるにもかかわらず、「選択権なし」のグループは3週間後に70%以上の人の健康状態が悪化し、「選択権あり」のグループは90%以上の人の健康状態が改善したのです。
 
 
ふたつのグループとも、選択権のあるなしはこの部分だけで、他はほとんど同じ生活を送っていました。

つまり、日常のささいなことでも、「自分で選択している」という意識をもつだけで健康的な生活が送れるようになる、ということなのです。
 
 
おそらく「フィンランド症候群」の被験者たちは、健康のためによいとされることを強制されるより、好きなものを食べたり、夜更かしをしたり、自分がやることを自由に選択できた方が健康になれた、ということなのでしょう。
 
 
こういうことを信じることができる人は、唯物主義者の多い地球ではまだ少数派かもしれません。

しかし、たとえばキアヌ・リーブスのような人は、このことを信じているようです。

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