ブルース・リーの映画「燃えよドラゴン」の中で、弟子の少年に「考えるな、感じろ!」と教える有名なシーンがあります。
このシーンでブルース・リーは、"We need emotional content."ということを言っています。(蹴るときでさえ)私たちに必要なものは「感情的な満足」である、と言っているのです。
考えてみると、私たちの人生に必要なものはこの「感情的な満足」に他なりません。この「感情的な満足」が得られないから、私たちは自分を攻撃したり他人を攻撃したり、わけのわからないことをやり続けているのです。
お金で「感情的な満足」が得られるでしょうか? 一時的には得られるかもしれません。でも、人間は慣れるのが早いですから、あっという間に「お金で買えるモノ」や「お金で買う経験」に飽きてしまうかもしれません。そうなったら、お金では買えない「感情的満足」とは何か、真剣に考えだすのではないでしょうか。
では、感情的な満足はどのようにしたら得られるでしょう? この世界には私たちを感情的に満たしてくれるものがほぼ無限にある、と気づくことによって。
ただし、考えて考えて考えてばかりいる人間にとって、そのことに気づくのはそれほど簡単なことではないので、人間はありとあらゆるネガティブな体験をして、そのことに気づくように促されている、と言うこともできます。
自分が考えることによって、とんでもない妄想の世界に生きていることに気づくことによって。
自分が考えていることが自分の生きる世界を制約しつづけていることに気づくことによって。
自分が考えていることが、自分を悪者にしたり誰かを悪者にしたりして歪んだ感情的満足を得ようとしていることに気づくことによって。
ネットに広まっている異なる種の動物たちが仲良くしている画像や動画を見るたびに、「考えるな、感じろ!」という東洋の至言の賞味期限はいまだに切れていないと思うのです。
ブルース・リーの表情をよく見てください。これが「感じている」顔です。