
自我が芽生え、自己主張が強くなる1歳児に怒鳴ってしまって悩んでいませんか?
食事の好き嫌いや遊び食べ、トイレトレーニング、寝かしつけ、言葉や身体の発達の不安、イヤイヤ期など、この時期の子育てには悩みが尽きず、ついつい怒鳴ってしまうことも多いかと思います。
実は、私も3人の子の母として、末子が1歳の頃に、自分が虐待をしているのではないかと深く悩んだ時期がありました。
まだまだ意思疎通が十分ではないものの、「あれやりたい!」「これはイヤ!」と自分の気持ちがはっきりしてくるので、思うようにならなかった時の子どもの癇癪に苦労する方も多いでしょう。
キッズラインによる2017年の調査によると、497名の回答者のうち約92%が「育児についてストレスを感じる」と回答しています。また、育児ストレスを感じて思わずやってしまったこととして、
- 「子供に感情的に叱ってしまった」
- 「子供に八つ当たり」
- 「家中の窓を締めて大声で怒鳴り付けた」
- 「言うことを聞かず思わず手が出てしまった」
などの回答がありました。
キッズラインによる育児ストレス調査(2017年)
https://kidsline.me/magazin/article/97
この記事では、衝動的に子どもに怒鳴ってしまったり、時には手が出てしまったり、思うような子育てができず悩んでいる方に向けて、今の時期に知っておくと子育てが楽になることと、子どもに怒ってしまう本当の原因をお伝えしています。
最後まで読んで頂くことで、1歳の子どもにどのように接すれば良いか、また第三者のサポートを受ける必要がある場合にはどのように選べばよいかが分かるようになるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
子どもに怒鳴ってしまってもいい!
自然な感情は抑え込まない方が良い
一般的に、1歳児に限らず子どもに怒鳴るのは良くないことと言われています。怒鳴るのではなく、冷静に何度も繰り返し言って聞かせることができるのならば、それは最も適切な子どもへの対応です。
でも、私たちは怒鳴ってしまってもいいと考えています。
なぜなら「怒鳴ってはいけない」と自分に強く言い聞かせるあまり、怒りやイライラを心の奥に押し込めてしまうと、パートナーへの八つ当たりなど思わぬ形で爆発してしまったり、自分を追い詰め過ぎて子育てを苦しいものにしてしまったりすることに繋がるからです。
人間ですから怒りを感じるのは当然のことですが、今は虐待に関する事件や注意喚起のための情報がたくさんあるので、必要以上に自分の怒りに不安を感じているお父さんお母さんがとても多いと感じています。
実は、親が感情を抑え込もうとし過ぎることで、子どもとの関係性に思わぬ影響を与える可能性があることも、心理学の研究で明らかになっています。親が自分の自然な感情を否定せず、自分自身を責め過ぎないことは、子どもとの健全な関係性の構築にも繋がっていくのです。
参考文献:Waters, S. F., West, T. V., Karnilowicz, H. R., & Mendes, W. B.(2020)
『自分の中に留めておく? 親の感情抑制が生理的な連動性と相互作用行動に与える影響』
原題:Keep it to yourself? Parent emotion suppression influences physiological linkage and interaction behavior.
掲載誌:Journal of Family Psychology, 34(7), 784–793
https://doi.org/10.1037/fam0000660
怒鳴らないお母さんの元で育ち、自分を苦しめるようになったクライアント事例
あるクライアントさんは、周囲の人々から「あなたのお母さんは理想的な母親だね」と言われていたのですが、実は深い悩みを抱えていました。
幼児教育に携わっていたその方のお母さんは、子どもにどのように接するのが良いのかを熟知していて、穏やかで声を荒げることもなくいつも優しかったそうです。子どもが好きで、何度でも同じ遊びに根気よく付き合ってくれ、友達からも「お母さん優しくていいね!」と言われていました。
でも、ふとした時に「お母さん、怒ってるのかな?」と感じて不安になり、聞いてみても「どうして?怒ってないよ?」と返されるばかりだったそうです。
このクライアントさんは、お母さんから感じる気持ちと自分に投げかけられる言葉のギャップを感じ、いつもお母さんの機嫌が気になって仕方なかったと言います。
お母さんは、同居しているお姑さんの感情の起伏がとても激しく苦労していたので、自分は感情的にならないようにといつも我慢していたのですが、クライアントさんがそうしたお母さんの事情を理解できるようになったのはもっと大きくなってからでした。
そして、お母さんの機嫌を気にして自分の本音を言えないのと同じように、同性に対して自分の感情を出すことができず、友人関係に悩み続けたそうです。結局仕事をするようになってからも先輩や上司の顔色を伺ったり、子育てをするようになってママ友ができても必要以上に気を遣って疲れたりしてしまうのが悩みでした。
お母さんは、クライアントさんに「あなたは、しっかり者で何の心配もないから安心していられるわ」と言い続けてきましたが、彼女自身は、「母親の望む通りに生きてきたからいつも褒められたけど、本当は自分の好きなようにしたかった」「母親の機嫌をいつも気にしているのは苦しかった」と話してくれました。
子どもに最適な対応をするために、過度に自分の感情を押し殺すことは、自分も子どもも苦しめることになりかねません。例え怒ってしまったとしても、子どもと本音で話し合い、そこからどう向き合っていくかによって、子育てを豊かにしていくこともできるのです。
激しい怒りを抑えられず、悩んでいた過去の私
私自身も、末の息子が1歳の頃は夫が単身赴任中だったので、ワンオペ育児でいっぱいいっぱいになることも多く、毎日激しい怒りを3人の子どもたちにぶつけてしまっていました。
例えば、夜寝る時間になって部屋いっぱいに散らかったおもちゃを片付ける時、最初は「みんなでお片付けしようね」と、声掛けをしながら手伝っているのですが、なかなか片付けなかったり、途中でまたおもちゃで遊びだしたりすると瞬間的に怒りが込み上げてきてしまっていました。
そして、一度スイッチが入ると豹変し、「全部捨てるから!!!」と、手当たり次第に大事なおもちゃでも子どもが一生懸命作った工作でも、片っ端から引っ掴んで子どもたちの目の前でゴミ箱へ投げ捨てるようなことをしてしまうのです。
当時幼稚園生だった長子は、さすがに察するのが早く、私に火が付いたと分かるや否や、捨てられまいと特に大事なものを一目散にかき集め、3歳の中間子は泣きながら弟のおもちゃが捨てられないように手伝おうとし、1歳の末子は立ち尽くして泣き叫ぶ、という有様で、本当にひどい母親だったと思います。
私の行為がどれほど子どもたちを傷つけているかと思っても、その衝動をどうしても抑えることができませんでした。
それでも、今は子どもたちと良い関係を築くことが出来ています。私がどのようにして今のようになれたのか、次の章で詳しくお伝えしていきます。
子どもに怒鳴ってしまった後に、必ずすること3つ
「子どもに怒鳴ってもいい」とは言っても、怒鳴った後で必ず必要なのは、
①謝ること
②子どもへのフォローをすること
③自分自身の感情に向き合うこと
です。ひとつひとつ見ていきましょう。
怒鳴ってしまったことを謝る
1歳の子どもには、危ないことやしてはいけないことを教える場合であっても、本来ならば、怒鳴らずに子どもに接するのが適切です。ですので、子どもに怒鳴ってしまった時には子どもにお詫びする気持ちを持つことが大切です。実は、子どもが成長するにつれて、子どもに直接謝ったり、自分の言動を振り返って反省したりすることが、段々難しく感じられる親御さんも少なくありません。
カウンセリング学部の研究者であるラックスタッターらは、「親の謝罪傾向・共感・罪悪感」の高低が、子どもとの安全な愛着形成に影響することを示す論文を発表しており、謝罪傾向の強い親の方が、より安定的な親子関係を築きやすいと述べています。
私は、激しい怒りを爆発させた後には、必ず「怒ってごめんね、怒らないお母さんに絶対になるからね」と約束をしていましたし、子どもたちは、その都度私を許してくれました。子どもと一緒に、あるいは子どもが寝てから、後悔と罪悪感でどれだけ泣いたか分かりません。
私の子どもたちに限ったことではなく、子どもというのは、どの子も大人よりもずっと寛容だと感じます。だからこそ、その寛容さに甘えず、相手が子どもであってもお詫びする気持ちを持つことが重要です。
Ruckstaetter, J., Sells, J., Newmeyer, M. D., & Zink, D.(2017)
『親の謝罪、共感、羞恥心、罪悪感、および愛着:パス解析』
原題:Parental Apology, Empathy, Shame, Guilt, and Attachment: A Path Analysis
掲載誌:Journal of Counseling & Development, 95(4), 389–400
https://doi.org/10.1002/jcad.12154
子どもへのフォローをする
親が言葉に出そうと出さなかろうと、親の感情や気持ちを感じ取っているのが子どもであり、まだ言葉を十分に理解できない幼い子どもほど敏感です。そして、怒られた子どもは、たとえその場で泣きやんだとしても、心の中に不安や恐れが残ることがあります。そんな時こそ、「さっきは大きな声を出してごめんね」「ママは疲れていて、イライラしちゃったんだ」といった素直な言葉で気持ちを伝えることが、子どもの心に安心をもたらします。
特に、子どもは怒られると、本当は悪くなくても自分が悪かったからと思い込んでしまいます。怒られることばかりでなく、自分の周りで起こった出来事を「自分がいい子でなかったから」と考えてしまうものなのです。だからこそ、子どもに怒鳴ってしまったことが適切でなかったと思う場合には、怒鳴った後に「あなたは悪くないよ」ということをしっかりと伝える必要があります。
心理学者ジョン・ボウルビィは、著書『母と子のアタッチメント:心の安全基地(原著 A Secure Base)』の中で、子どもが安心して探索できるようになるためには、安全な「基地」としての親の存在が必要であると述べています。
怒ってしまったあとでも、親が自分の気持ちを言葉にし、子どもに寄り添うことができれば、親子関係はむしろより強く、深いものになるのです。
さらに、親が自分の感情を正直に伝えることは、子ども自身が「気持ちを言葉にする力」を育む大切な土台にもなります。
たとえば、「ママは今日は疲れていて、イライラしてしまったの」と感情を言語化して伝えることで、子どもは「疲れた」「イライラ」といった言葉と感情のつながりを学びます。これは、子どもが自分の気持ちを理解し、人と共有するための第一歩です。
幼い子どもは、まだ語彙も少なく、自分の内側で起きていることをうまく言葉にすることができません。でも、親がそのモデルを見せることで、「自分の気持ちは言っていいものなんだ」「怒っても、あとから仲直りできるんだ」と学んでいきます。
親の素直な感情表現は、子どもの健全なコミュニケーション能力や自己理解力を育てるきっかけになるのです。
Bowlby, J.(1988) 『母と子のアタッチメント:心の安全基地』
原題:A Secure Base: Parent‑Child Attachment and Healthy Human Development
出版:Basic Books
ISBN:978‑0465075973 verywellmind.com+14
自分の感情に向き合う
1歳の子どもは、感情のままに自分の気持ちを全力で表現して生きているのが特徴です。それが、この時期の子どもにとって必要なことであり、そんな子どもを前にして、親もまたその時々の自分の感情に意識を向けてみることをお勧めします。
強烈な怒りを止められなかった私が、なぜ怒らないお母さんになれたのかというと、自分自身の感情に徹底的に向き合ったからだと思っています。
2番目の子どものチック症状もどんどんひどくなり、子どもたちのこころを壊しかねないと怖くなった私は、最初はカウンセリングを受けてみることにしました。そして、自分のこころをもっと知るために心理学を学ぼうと、カウンセリングの勉強も始めたのです。
でも、カウンセリングでも怒りをどうにもできず、その後ヴィパッサナー瞑想(観察の瞑想)から生まれた「アニカ」という、二人でする瞑想の養成コースに通うことになりました。1歳の息子を含めた幼い3人の子どもたちを預けて、自分の勉強のために家を空けることにはとても罪悪感がありましたが、何としても怒らないお母さんになろうと決めたのでどんなことでもする覚悟でした。
カウンセリングは、話をする中で自分の気持ちを伝えていきますが、アニカは瞑想が元になっているので、言葉を必要とせずただ静かに目を瞑って、相手と一緒に自分の感情を感じていきます。言葉を尽くしても伝えきれなかった私の中にある激しい怒りや、子ども頃からの我慢や、親との確執などが自分の中からどんどん出てきましたが、その感情を相手の方が一緒に感じてくれることで、私は癒されていきました。
子どもたちから離れ、自分自身に向き合う時間の中で、私に必要なのは、ただ共感してくれる人だったのだと気付いたのです。
そして、3か月経った頃には、1日に何度も怒っていたのが怒らない日が出てくるようになり、9か月のアニカのコースを卒業する頃には、子どもを深く傷つけるような激しい怒り方はまったくしなくなりました。湧き上がる怒りに対処する方法を身に着けたのではなく、怒りそのものが出てこなくなってしまったので、子育ては本当に楽になりました。
今、10年が過ぎましたが、最近になって中・高生の娘たちにふと当時のことを聞いてみたら「あの頃のママ、マジやばかったよね!」「ホントホント!あのままじゃなくて本当に良かったよ!」「…っていうか、全然気にしてないからもうそんなに謝らなくていいよー」と言われ、10年越しで抱えていた罪悪感から救われた気持ちになりました。
思春期を迎えて、親子関係に悩む方が多い中、私たち親子が良い関係を築けているのは、子どもたちが幼い頃にしっかりと自分の中の感情に向き合うことを続けたからだと思っています。そして、自分が癒されることで、誰もが怒らない子育てを実現できると確信しています。
Eisenberg, N., Spinrad, T. L., & Eggum, N. D.(2010)『子どもの感情制御[emotion‑related self‑regulation]とその不適応との関係』In Annual Review of Clinical Psychology, 6, 495–525.https://doi.org/10.1146/annurev.clinpsy.121208.131208
子どもに怒鳴ってしまう本当の原因を、自分のこころの中から探そう
子どもに怒鳴ってしまったとき、原因は子どもの行動にあると思いがちですが、実は、親自身の心の状態や過去の経験が深く関係しています。
ここでは、怒りの背景としてよくある6つの要因をご紹介します。
完璧主義や理想像へのこだわり
「良い母親でなければならない」「子どもはきちんと育てなければ」といった強い思い込みやプレッシャーがあると、現実とのギャップに苦しみやすくなります。子どもが思い通りに動かなかった時、「自分の育て方が悪い」と責めてしまい、それが怒りとなって現れることがあります。
自己肯定感の低さ
子どもに反抗されたり言うことを聞かなかったりしたときに、「自分が否定された」と感じてしまうと、怒りがこみ上げやすくなります。親としての自信が揺らぐと、ちょっとしたことでイライラしやすくなるのです
感情コントロールが苦手
育児中のストレス、不安、疲れなどが蓄積すると、感情をうまく調整できなくなります。自分自身のケアができていないと、子どものちょっとした言動に敏感に反応してしまいます。
自分自身の幼少期の体験によるもの
親から厳しく育てられた、感情を抑え込まれて育ったなど、自分の子ども時代の体験が今の子育てに影響していることは多いです。無意識に「子どもは親の言うことを聞くもの」「言うことを聞かないのは悪いこと」という価値観にとらわれてしまっている場合もあります。
パートナーや周囲のサポート不足
育児を一人で抱え込んでいると、精神的にも身体的にも限界に近づきます。「私だけが頑張っている」という孤独感や寂しさが、怒りに変わってしまうこともあります。
過去の失敗や未来の不安にとらわれて、今に集中できない
子どもの言動に対して、「またこうなるんじゃないか」「将来大丈夫だろうか」と過去や未来を重ねて反応してしまうと、今この瞬間の子どもをありのままに見ることができなくなり、怒りを助長してしまいます。
こうした内面的な要因に気づくことは、決して「自分のせい」にするためではありません。怒りの本質が怒り以外の感情であることは多々ありますが、自分のこころの中にある感情に気づき、理解しようとすることが、怒りとの向き合い方を変える第一歩になります。
怒鳴ってしまうのをやめられなくて辛い時は、サポートを受けてみる
子育ては、「一人で頑張らない」ことがとても大切です。
とはいえ、私は行政の子育てサポートや民間のカウンセリング、医療機関など色々なところへ相談に行った経験がありますが、助けられたこともあれば、自分の子育ての至らなさに改めて気付かされ、深く落ち込んで帰って来たこともありました。
相談をしに行ったはずなのに、そんなことではダメだと叱られてしまって、相談するのが怖くなったことがあるというお話も、クライアントさんからよく聴きます。
重要なのは、どこに相談するか?よりも、どのような人に相談するか?です。
一度受けてみてなんとなく自分には合わないなと感じた場合には、我慢して継続せずに、他のサポートも探してみると良いでしょう。
ここでは、サポートを選ぶときに意識したい3つのポイントをご紹介します。
アドバイスをくれるよりも共感してくれるかどうか
育児の悩みを相談したとき、「こうすればいいんじゃない?」「もっと○○したら?」といったアドバイスが返ってくることがあります。
もちろん、それが役立つ場合もありますが、子どもに怒鳴ってしまう怒りをどうにもできないような時には、「そんなこと、もう分かってる」「分かっているけれど、できないことが苦しいのに!」と、余計に孤独感が強まる方もいるでしょう。
本当に必要なのは、良い悪いの判断をせずにあなたのことを受け入れ、その苦しさに共感してくれる人です。
あなたの罪悪感が軽くなるかどうか
子どもに怒ってしまった時、多くのお母さんが「こんなことをしてしまった自分は母親失格だ」と感じています。
サポートを受ける目的は、「正しいやり方を知ること」だけではありません。間違ったり失敗したりしながらも「自分の子育ては、これでいい!」と思えるようになることこそが、最も大きな意味を持っています。
私たちは、クライアントさんに「こんなひどいことをしてしまったのを、初めて話すことができました」とよく言われますが、ひどければひどいほど口に出すのに勇気がいるでしょう。
でも、子育て中のお父さん・お母さんのサポートを真剣に考えている支援者ならば、どんな話が出てきても驚きませんし、何を話しても大丈夫なはずです。
話した後に、子どもに怒鳴ってしまったあなたの罪悪感が軽くなっているかどうか、気持ちが楽になっているかどうかもサポートを選ぶ時の判断材料となります。
また話を聴いてほしい、と思うかどうか
サポートの場に行って、「なんだかもう一度話をしたいな」「また会いたいな」と思える相手かどうかは、とても大切です。
なぜなら、それはつまりあなたをわかってくれる人だということです。人は、自分のことをわかってくれると感じられる相手でなければ、自分の本当の気持ちを打ち明けることはできません。そして、そのような関係性の中でこそ、怒りや不安の根っこにある「本当の感情」に触れていくことができるのです。
一見、子どもの悩みのように思えても、ひとつひとつの悩みを深く見つめていくと、実は子どもではなく自分自身の問題に辿り着くことは多いです。
あなたの気持ちにしっかり寄り添ってくれる人を前にして、自分の感じていることを何の気兼ねもなく話すことにより、自分のこころの中の感情を初めて整理することができるのです。
さいごに
1歳児に怒鳴ってしまうことは、多くのお父さんお母さんが抱えている悩みですが、怒鳴らないようにする方法をいくら試そうとしても難しい方は、怒鳴らない努力をするよりも怒鳴った後のフォローをしっかりすることを意識してみてはいかがでしょうか。
そして、それでも子どもに怒鳴ってしまうことが辛い方は、勇気を出してサポート機関を頼ってみてください。
子育ては、失敗しても何度でもやり直しがききます。
「失敗を認め、関係を修復するプロセスそのものが、子どもの心をより安全でしなやかなものに育てる」
ボウルビィの理論が示すメッセージです。
Bowlby, J.(1988) 『母と子のアタッチメント:心の安全基地』
原題:A Secure Base: Parent‑Child Attachment and Healthy Human Development
出版:Basic Books
ISBN:978‑0465075973 verywellmind.com+14